結城友奈は勇者である2#2 シナリオ分析してみた!!

結城友奈は勇者である2#2「ともだち」

脚本:タカヒロ

小説を書いていると、どうしてもキャラがテンプレ的でらしさを失っている状態だったり、キャラが役割だけのキャラで終わっていたりなど、キャラを上手く表現出来ず、共感しにくくなってしまうときってよくありますよね。

小説の場合キャラに共感できないということは、文字だけでしか表現できない分、致命傷になりやすいです。

そんな問題を解決するために、今回ご紹介するのは「複数のキャラの見せ方」です。

複数のキャラを上手に魅せることができれば、テンプレや役割的なキャラをらしさのあるキャラとして書けるようになりますよ!

ネタバレ注意です!

第一話はこちら↓

愛されるキャラに必要なのは残念さ!! 結城友奈は勇者である2#1 シナリオ分析してみた!!

起承転結

  • 起:「隊長」
  • 承:「合宿」
  • 転:「銀の日常」
  • 結:「内省」

この2話では、3人分の話がぎゅっと詰まっています。あのテンポ感でそれだけの情報を詰め込んでいるのはさすがとしか言いようがありませんね。

そんな2話では「キャラの掘り下げ」を注目するにあたって、「園子と須美」「銀」の2つの軸で掘り下げられているところに注目してみてください!

起:隊長

  • 起:「ピンチ」
  • 承:「ごり押し」
  • 転:「隊長は誰?」
  • 結:「合宿?」

まず、デスポエムでスタート。ただの日常系じゃないことを表現していますね。

次にバーテックスとの戦いでピンチの3人。それをなんとか押し切るも先生にごり押しと怒られてしまいます。

そして、先生から「連携の演習不足」という課題と「隊長を決める」という話が出てきます。

隊長と聞いて「自分だ」と期待する須美でしたが、選ばれたのは園子。それを家柄的にも隊長は園子が適任だと納得しつつも、自分がまとめるんだと考えます。

ここでの須美の反応は結での成長を見せるための布石のシーンとなっています。このように成長した後だけではなく、成長する前の反応もシーンとして魅せているところもポイントですね。

最後に、連携の演習不足を解消するために、合宿をするというフックでOPに入っていきます。

承:合宿

  • 起:「合宿演習」
  • 承:「演習の成果」
  • 転:「温泉」
  • 結:「消灯」

銀が時間に遅れてくるところからスタートします。ここも転での掘り下げのための描写なので、省かずに描いていますね。

そうして、合宿が始まり、3人は演習、授業、座禅に励み、演習で結果を残していきます。ここでも「須美から他の2人への呼び方が固いという布石」が置かれています。

その後の温泉では、演習で筋肉がついてきた話から定番の胸の話などの日常系特有のふわふわとした話が展開されていきます。

その一方でヴィジュアルでの描写が主ですが、3人の身体に青痣切り傷などが描写されています。

これによって、セリフは日常系でも、映像では戦いの激しさという2種類のエッセンスが1つのシーンに収められているところはポイントです。ただの温泉回とはわけが違いますね。

そうして、温泉の後は、三人の寝る前のシーンになり、恋バナの話をしたりするシーンです。このシーンでは合宿で3人の距離が縮んだことを描写するシーンになっています。

転:銀の日常

  • 起:「銀の遅刻癖」
  • CM
  • 承:「のぞき見&追跡」
  • 転:「ほっとけない性格」
  • 結:「ついてない」

で、ここでは銀がよく遅刻することから「なぜ必ず遅刻するのか」という疑問から、銀の掘り下げが行われています。ちなみに、CMを挟んでいるので、ここもフックです。

銀の家や買い物での行動をこっそりと覗き見る二人ですが、実は銀は困っている人がいるとついつい助けてしまうという超おひとよしな性格だと知ります。

そんな銀の姿を黙ってみていられず助ける2人。

銀はそんな自分を「ついていないんだ」と言って、3人でご飯を食べているときに樹海化が起こり、「やっぱりついていない」というオチでシーンが変わります。

ここで今回のポイントのキャラの見せ方です。

大抵のアニメならキャラの掘り下げは1話丸々使って、描写していきます。

しかし、今回は全6話構成という短尺では、3人分の魅力を魅せるために1話ずつ使っていたら、話の半分を使ってしまいます。

また、そのキャラの回になるまでそのキャラと受け手の距離は遠いままになってしまいます。

故に、この第2話では3人分のキャラの魅力を上手く分散させて魅せることで3人と視聴者の距離をグッと縮めための仕組みが施されています。

まずは「銀」です。遅刻常習犯の掘り下げが行われていますね。

例として「弟の面倒をみたり」や「道で困っている人を助ける」といった描写がなされています。これによって銀は「困っている人をほっとけないから遅刻する」キャラという掘り下げが行われています。

また「他の人のせいにしているみたいで嫌だ」といって、遅刻の言い訳をしないところも彼女のらしさが表現されているところでしょう。

こうした掘り下げによって、銀は「遅刻をしたり、勉強が苦手な子」というイメージから「困っている人をほっとけない」という別のイメージを視聴者に与えて、視聴者と銀との距離を上手く縮めています。

結:内省

  • 起:「焦り」
  • 承:「バーテックスの攻撃」
  • 転:「園子の機転」
  • 結:「須美の内省と再生」

樹海化が始まり、バーテックスが登場、3人の変身というルーティーンが素早く行われ、日常から非日常への転換が行われます。

そして、須美が最初の「まとめないと」と矢を構える。が、銀に落ち着くように言われ、須美は我を取り戻す。そこへバーテックスが攻撃を仕掛けてくる。防御して演習通り、バーテックスに近づこうとするも、須美の矢が届かない上空に逃げ、バーテックスはドリルで銀を攻撃します。

銀が「1分持つから、その間にあいつをやれ」という言葉を受けるも、須美は焦りから動けなくなってしまいます。が、園子が行動し、須美に指示を出し、何とかバーテックスを倒します。

そうして樹海から現実世界に戻った後、須美は自分がいざというときに動けなかったことに、悔しさや情けなさを感じます。「足を引っ張っていたのは自分だった」というセリフがそれを表していますね。

ここでも「須美と園子」という軸でキャラの見せかたに注目してみてください。

起での須美は「自分がまとめないと」という考え方。バーテックスの戦いを経てからの須美には「足を引っ張っていたのは自分」という気づきが生まれていますね。

この須美の自分の欠点に気がつくという「キャラの成長」がこの第2話では最低限の要素で作られています。

また、須美が欠点に気づくための対比として、いざというときに動ける園子という「須美と園子」という軸で描写されていていますね。

加えて、園子は普段と戦闘時でのギャップを見せています。不思議ちゃんな描写が多い園子。そんな園子がいざ戦いになると、ひらめきとその行動がとれる引っ張っていけるキャラになります。このギャップもある意味でキャラと視聴者の距離を縮める働きをしています。

このように短いシーンではありますが、必要最低限の要素できちんと「須美と園子」がキャラとして描写されています。

そうして、戦いの後「次からは初めから息を合わせる」と泣いてしまう須美ですが、二人に励まされます。それから須美は二人のことを「そのっち」「銀」と呼ぶようになります。

須美が成長した結果として、起での固い呼び方から距離が縮まった呼び方に変わるという分かりやすい変化があるのもポイントです。ちゃんと承にも成長前の固い呼び名がある描写がありますよね。

そして、最後はおなじみのデスポエムでフックを作っています。デスポエムの汎用性が高すぎる……。

終わりに

今回のポイントは「キャラの見せ方」でした。

「須美と園子」という軸では、須美は「成長」園子は「ギャップ」

「銀」では、「掘り下げ」が行われていました。

このように、キャラクターを分散して魅せることで、一人一人を掘り下げて成長させるよりも、キャラと受け手との間を縮めることができ、共感しやすくなります。

ただし、そういったキャラを分散して魅せるにあたって、それぞれの布石をきちんと描写しておくことが重要です。布石がないと、キャラの描写がイマイチ伝わりにくくなってしまいますから!

愛されるキャラに必要なのは残念さ!! 結城友奈は勇者である2#1 シナリオ分析してみた!!

2017.10.10

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