葛藤を強調、増幅させる「裏表(うらはら)」!! ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン#2 シナリオ分析してみた!!

#2「戻ってこない」

脚本・シリーズ構成:吉田玲子

ヴァイオレットエヴァ―ガーデン第2話です。

今回のポイントは裏腹です。劇中の言葉をそのまま拝借させていただきました。

裏腹とは「口(言葉)ではこういっているけど、実は……」のようなことです。これを意識するだけで、お話に葛藤を見つけやすくなったり、セリフにドラマっぽさが生まれます!

では、シナリオ分析していきます! ネタバレ注意です!

起承転結

  • 起:自動手記人形
  • 承:仕事
  • 転:エリカとヴァイオレット
  • 結;エメラルドのブローチ

今回の話は自動手記人形に着任してからのにかなり時間を割かれています。そのせいで、転でのエリカの掘り下げが十分に伝わっていない印象です。

本筋は、あくまでヴァイオレットということなのもありますが、キャラを多めに出したため、時間が足りなくなったというところでしょう。

主要キャラを話を追うごとに徐々に出していくようにすると、キャラの唐突感が出てしまうため、群像劇には向きません。

が、たくさん出そうとするとそれだけ時間が無くなってしまいます。時間配分が難しい#2です。

起:自動手記人形

ここはアバンのみで、小さい起承転結は省略。

4年前の回想をしつつも、ヴァイオレットが自動手記人形の面々に紹介されるというシーンですね。

少ない時間を効率よく使うための策ですね。

ちなみに、「名前は?」→「ヴァイオレット・エヴァ―ガーデンです」という風にバトン式カットバックが行われています。

承:仕事

  • 起:仕事始め
  • 承:昼休みの面々
  • 転:仕事失敗
  • 結:クレーム

まず、ヴァイオレットが自動手記人形の仕事をするべく、アイリスやエリカの紹介やタイプライターの練習をするシーン。ここでは、ヴァイオレットへの風当たりが強いアイリスやぼそっと一言いうだけのエリカなどのキャラ。

「タイプの音がうるさ過ぎて怒られる」というヴァイオレットの他人を気にしない性格が描写されているのも注目。

承では、昼休みになってベネディクトは受付の二人をご飯に誘います。が、断られます。その愚痴をこぼした後、アイリスとエリカに焼きそばをご馳走しようとするも断られ、最後にローランドおじさんと一緒に食べるというほほえましいシーンに。

その流れをついでアイリスがエリカに愚痴をこぼしているシーンに入ります。アイリスの愚痴を聞いて、俯くエリカ。ここでワンシーン入れるだけでももっとわかりやすくなったかもですね。

その次はクラウディアとカトレアの二人の昼休みのシーンで、ここではヴァイオレットの様子についてと、クラウディアの給与がないという伏線が張られています。ここでは、ベネディクトが通りかかってからのカトレアの悪戯っぽいところは注目ですね。

次の転では、二人の仕事を隣で観察し、口を出すヴァイオレットのシーンに入ります。ここではヴァイオレットのクソ真面目なところが少しコメディっぽくていいですね。物語がラブコメじゃないので、コメディ風になっていないので分かりにくいかもですが、良いシーンです。

結では、その客のクレームをクラウディアからそれとなく伝えられるエリカとヴァイオレット。しかし、それを意に介さず、仕事をする二人。

この二人っきりになった時にエリカの「どうしてこの仕事をしたいの……?」というセリフは転でキーワードになっています。これはエリカが自分にも問いかけている言葉でもありますね。

転:エリカとヴァイオレット

  • 起:来客
  • 承:失敗
  • 転:雨が上がる
  • 結:辞めさせないでほしい

まず、二人の元に女性客が一人訪れ、二人に依頼をします。が、エリカは前回の失敗から依頼を受けるのに戸惑います。そこでヴァイオレットが代わりにタイプします。

承では、ヴァイオレットの手紙によって、女性客が怒鳴り込んできて、泣きだしてしまいます。そのことでカトレアはヴァイオレットに「まだ早かったわね」と告げます。

失敗したヴァイオレットは少佐と後姿が似ている人を追っていきます。ここは「少佐を追っていたのに、間違ってしまう」という描写でしょう。

失敗で落ち込んでいるヴァイオレット。そこにベネディクトが「配達業務に戻って来いよ」と誘いにきます。が、ヴァイオレットは断ります。あと、クラウディアの給料がないということも述べられ、伏線が強調されていますね。

雨が降り出しずぶ濡れで帰ってくるヴァイオレットはエリカに「自動手記人形として向き不向き」を問い、「私も……」と答えるエリカ。即座に「あなたのことは聞いていません」とヴァイオレットが答え、エリカはムッとして「向いていない。なんでこの仕事を」と言います。

ヴァイオレットが「愛してる」を知りたいからと答え、エリカははっとします。そして、二人が事務所に戻ると、アイリスがクラウディアに「ヴァイオレットを辞めさせるように」と詰め寄っており、そこでエリカが「辞めさせないでください」と頼み込みます。そんなエリカに「裏腹」というヴァイオレット。

ここが今回の注目ポイントである「裏腹」です。

この#2では4つの裏腹が使われています。

ベネディクトの一緒にご飯を食べたい。けど、悪口を言う。

カトレアの「ベッドの中で女の名前を呼ぶなんて最悪だったわ」という言葉と悪戯っぽい声音。

女性客の男性への気のない言葉と、吐き出した「愛していたのに」

エリカの「向いてないわよ」と「辞めさせないでください」 

これを裏腹なしで話が進むとこうなります。

ベネディクトはご飯食べたいの一辺倒。

カトレアが色仕掛けをする。

女性客はひたすら男性客を好きという。

エリカはただ突き放し、辞めさせないでとは言わない。

つまり、本当の気持ちがあるのに、それを言わないでいるまたは言えないでいる=「葛藤がある」状況になっているのです。

これの代表的な例をご存じでしょうか? そう、今や絶滅危惧種となったツンデレです! ツンデレは口ではそんなことを言いつつも、本当は違うこと思っています。

ゼロの使い魔のルイズは「このバカ犬!」とサイトを罵りながらも、サイトが他の女の子に現を抜かしていることに心では泣いたり、嫉妬していたりするのです。

主人公の視点からだと怒られているだけでも、神の視点から見ている受け手には気持ちが分かります。裏腹はこの言葉での嘘によって、神の視点から見える本心を強調させるのです。

また、裏腹はセリフ的にも少し変わったキャラを立てる助けにもなります。

誰かに告白するシーンを書いたとして、その返事が「私も」だとありきたりですが、「大っ嫌いよ!」と言ってニッと笑うと少し印象が違いますよね。ちょっと悪戯っぽいキャラになります。

余談ですがカトレアの「相手を試して、自分の存在を確かめてしまう」という言葉は、葛藤の一面を的確に捉えていますね。いい言葉です。

あと、転でヴァイオレットがエリカにどうしてこの仕事をしたいのかを打ち明けるシーンで、雨が止み日が晴れていく演出は分かりやすいなと思いました。

結:エメラルドのブローチ

ここは次回の話につなげるための話であり、そこまで起伏があるわけではないので、小さな起承転結は省略。

ヴァイオレットの服が新調され、エメラルドのブローチが手渡されます。ブローチを握りしめるヴァイオレットにカトレアは自動手記人形の教室を進めます。

その次のシーンではカトレアとクラウディアの会話で、エメラルドのブローチを闇市から買い戻すためにクラウディアの給料がなくなったという伏線が回収されます。

そして、少佐というキーワードからタイトルの「戻ってこない」で締められます。

自動手記人形の教室の話が次の話になることが予想されつつも、次はアイリスの話になることが想像できますね。

それにしても、ここでエメラルドのブローチが帰ってくるのは意外でしたね。少佐の死が告げられるともに帰ってくるのだろうと予想していました。

ここで帰ってきたことが何かしら伏線として機能するのか。次回以降から注目していきたいですね。

終わりに

今回のポイントは裏腹!

言葉では嘘を言わせることで、本心を強調させるテクニックでした。

セリフで使ったりすると、ありきたりなキャラが少しだけ尖ったキャラにもなります。一石二鳥なテクニックですね。ぜひ活用してみてください!

この#2を見ていて気付いたのですが、割と細かいネタにまで力を入れていますね。しかし、それが本当に一瞬すぎてよく分からなかったりするのがもったいないなぁという印象です。

例えば、アイリスがハイヒールを踏み外すシーンですが、アイリスがすっとんきょな声を上げているのに違和感を覚えて、3回見直してやっと、「ハイヒールを踏み外したのか」と理解しました。

もちろん、アイリスが「キャリアウーマン」的な女性に憧れていて、背伸びをしていることが現れている良い描写(シャレード)です。

が、それが伝わらないと意味がないですね。分かりやすさって大事だ


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