ヴァイオレット・エヴァーガーデン#13 シナリオ分析してみた!!

#13「自動手記人形と「愛してる」」

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

最終話を迎えたヴァイオレット・エヴァーガーデン。

そんな今回の注目ポイントは「大円団感」です。

お話を書いているときに何となく最後が上手くいかないなって思うことがありますよね。

それはお話の中で最後に事件を起こしていないからです。

事件を起こして解決すれば、まとまりが出来てまとまりが良くなります。

そんな大円団感を演出する技術に注目しながら、シナリオ分析していきます! ネタバレ注意!

起承転結

  • 起:爆弾
  • 承:自分の手紙
  • 転:ディートフリートと母
  • 結:航空祭
簡単なあらすじ
反対派のメルクロフを追い詰めるも、グランデッツァ大鉄橋に仕掛けられた爆弾に気づき列車を急停止させるディートフリート。

ヴァイオレットは自らの両腕と引き換えに爆弾を鉄橋から外し、事件を終結させる。

そうして、無事に調印式を終え、ヴァイオレットは航空祭で自分の手紙を書くことになるが、書けない。

そんなヴァイオレットをディートフリートは自らの母と合わせる。

母との会話で「心の中でギルベルトは生きている」と気づき、自らの手紙を書き終えて、航空祭を迎える。

前回までのディートフリートとの関わりが、後半の手紙を書けないヴァイオレットに関係してくるところがミソですね。

ちなみに、ヴァイオレットが母に会う前まではヴァイオレットの顔に、戦いの傷が残っています。これもシャレードです。

起:「爆弾」

  • 起:追い詰める
  • 承:ペンダント
  • 転:爆弾
  • 結:夜明け
メルクロフ率いる反対派を追い詰めたヴァイオレットとディートフリート。

しかし、グランデッツァ大鉄橋を通過したところで、爆弾を仕掛けられていることを知る。

ヴァイオレットは爆弾を外すために、自らの力を振り絞る。

まず、ディートフリートの独白からスタート。これは各話でお馴染みの手法ですね。

で、爆弾は時限式でしたね。ハリウッドでは「時を刻む時計」「時間の鍵」と言われる手法で、タイムリミットは設けるだけで事件をより緊迫感溢れるものにする効果があります。

今回のように簡単なシチュエーションでもタイムリミットでなんだか緊張感のあるシーンになっていましたよね。よく名探偵コナンでも使われているところからも、非常にメジャーな手法です。

爆弾を外すところではベネディクトが活躍していましたね。ただ、反対派なら爆弾をもっとたくさんつけていてもいいはずではと思ったのは少し思いました。

爆弾が外れた後に、夜明けを迎えるというのもシャレードですね。

承:「自分の手紙」

  • 起:調印式
  • 承:自分の手紙
  • 転:ギルベルトとの過去
  • 結:書けない
反対派を退け、無事調印式を終えた一同。

ヴァイオレットはカトレアから航空祭で自分の手紙を書かないかと提案される。

自分の手紙を書こうとするが、書けないヴァイオレット。

事件が終わった後、一つのテーマである「戦争が終わっても火傷の後は残る」ということを表すために「息子は帰ってこない」と代筆するシーンが挟まれています。このシーンは後の航空祭のためのシーンでもあり、意外に重要な中継ぎのシーンです。

航空祭の話はここで急に出てくる話ですね。クライマックスを盛り上げるための前フリ、仕掛けになっています。

ヴァイオレットは今まで人のために手紙を書き、人を通じて感情を知ってきました。そのヴァイオレットが自分と向き合い、自分の感情の整理がつかないという意味で書けないというシーン運びになっています。

ここもある意味でも「戦争が終わっても火傷の後は残る」通ずるところとシンクロしていますね。

転:「ディートフリートと母」

  • 起:ディートフリートの訪問
  • 承:ギルベルト邸へ
  • 転:母
  • 結:命令はいらない

手紙を書けないと悩むヴァイオレットの元にディートフリートが訪ねてくる。

ブーゲンビリア邸でディートフリートの母に会うヴァイオレット。

ギルベルトのことを話すために呼び出したという母はヴァイオレットに「心の中でギルベルトは生きている」と話す。

ヴァイオレットは帰る際にディートフリートから命令をもらうも、「もう命令はいりません」といい、去っていく。

手紙を書けなくなったヴァイオレットに、ディートフリートがヴァイオレットを助けるような形になったのは面白いですね。前回までがディートフリートとの話だったので、その流れが綺麗に繋がっています。

そうして、今まで登場してこなかったギルベルトの母とのコンタクトで、母の言葉と今までのギルベルトとの思い出が交互に想起されるところは良い演出です。

ブーゲンビリア邸から帰る際に、ディートフリートが温かい言葉を放つのも意外でした。ディートフリートの変化が見て取れつつもその言葉にキャラらしさが現れています。

それに対してヴァイオレットは「もう命令はいりません」列車では言い返せなかった言葉が返せるようになっています。ここも成長が見て取れますね。

最後にディートフリートの独白が入るのは、ここまでがディートフリートとの話という区切りということでしょう。

結:「航空祭」

  • 起:それぞれの手紙
  • 承:航空祭
  • 転:愛してる
  • 結:仕事へ

ディートフリートや母の言葉のおかげでヴァイオレットは手紙を書き終える。

航空祭当日、ドールやCH郵便車の面々もそれぞれ自分の手紙について話す。

その最中、手紙が上空から舞い落ちてくる。

ヴァイオレットは自分の手紙を思い起こし、またドールの仕事に戻っていく。

転での話で手紙を書き終えることができたヴァイオレット。これもイベントを通しての変化として描かれています。いい構成です。

ここで今回のポイントである。「大円団感」についてです。

ここでいう大円団感とは、事件を作ってオチを作ったときのまとまり解決感のことです。ちょっとふわっとしてますが、要するに雨降って地固まるです。

例えば、吉本新喜劇では最後の方で強盗が押し入り、それを助けていろんなことが解決していく。みたいなオチを作ることで、大円団感を演出しています。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン全体で見ても、この最終話とその前で反対派との戦いを解決するという大きな山場を収めて大円団に持っていく流れがありますね。

この最終話だけでも、ヴァイオレットが自分の手紙を書けないという事件→ディートフリートや母の言葉で書けるようになるという流れが生まれています。

事件は成長を見せやすいという点でも、なんか収まった感が出てくるのかもしれません。

このように大円団感を演出するためには、最後に事件を作って解決するという流れを作り出すとよいでしょう。

また、航空祭当日で、ルクリアやCH郵便社の面々が勢ぞろいするのも、大円団みたいな感じが出ていますね。

最後に映像的に美しい場面を作ることも、大円団感を演出するポイントの一つです。

ここでは、空から舞ってくる手紙が紙吹雪のように何かを讃えるようなシャレード的に使われています。

もしも、物語を書いているときに、なんか最後締まらないと感じたときは、この大円団感を意識して構成を見直す解決することが多いので、ぜひやってみてください。

ヴァイオレットが自分の手紙の中で「愛してるが少しは分かる」という言葉には、ヴァイオレット自身の成長と、このヴァイオレット・エヴァーガーデンのキャッチコピーである「彼女はまだ知らない。「愛してる」の意味を。」というのを回収しています。

ヴァイオレットが最後にお客様のところに訪れるシーンでは、お客視点という演出がなされているのは素晴らしい。

その視点が視聴者自身なのか、あるいは……という想像を膨らませられるところがいいですね。

終わりに

今回のポイントは大円団感でした。

クライマックスに向けて、何かしら事件を起こして解決することで、物語が締まった感じが出ます。

オチが上手くつけられないというときは大円団感を意識してみてはいいかもしれません。

最終回を迎えると同時に新作が発表されたヴァイオレット・エヴァーガーデン

ヴァイオレットが今後、どのように成長していくのか気になりますね。

また、京アニ大賞受賞作がどのように展開していくかというロールモデルとしても気になるところです。

ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン#12 シナリオ分析してみた!!

2018.07.16

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