二面性で伝わりやすい雰囲気に!? 中二病でも恋がしたい!#1 シナリオ分析してみた!!

邂逅の……邪王真眼

シリーズ構成・脚本:花田十輝

今回のポイントは二面性です。

キャラ造形でよく言われる強みと弱みとは少し違います。雰囲気を分かりやすく増幅するという意味の二面性です。この第一話ではそこにフォーカスしてシナリオ分析していきます! ネタバレ注意です!

起承転結

  • アバン:中二病とは
  • 起:高校へ
  • 承:高校にて
  • 転:帰宅
  • 結:荷物運び

プロットの骨としてはあっさりしていますが、である中二病ネタがこれでもかと詰め込まれています。ゲーマーズ!と同じく肉のラブコメですね。シンプルで綺麗な展開です。

起:「高校へ」

  • アバン:中二病とは
  • 起:ふつう
  • 承:高校へ
  • 転:同じ中学の人がいない
  • 結:『闇の炎に抱かれて消えろ』を封印

アバンでは中二病の説明がなされるとともに、主人公勇太が黒歴史の整理と、六花の不思議な登場シーンからスタートします。ここの掴みは完璧ですね。ついでに、六花が降りてきたところは後々の伏線にもなっています。

起では妹に髪型が変じゃないかと聞き、普通と言われて喜ぶ勇太。その後、妹がゴミとして出した黒歴史をいじります。ここでは勇太の普通へのこだわり黒歴史の忌避という勇太のスタンスが示されていますね。

承では駅での森夏との出会いに胸を躍らせつつも、六花も同じ学校であるということが六花の謎の行動に目を奪われ、電車を乗り過ごしてしまいます。

転では乗り過ごした勇太がクラスに入ろうとするシーンで、同じ中学の人がいなくてビビッています。

結では、気を取り直すために、勇太は闇の炎に抱かれて消えろ』というセリフを放ち、封印します。ここで六花が見ているシーンが後ろにくっつくだけで、ちょっとした伏線的な機能をしていますね。

承:「高校にて」

  • 起:声をかけられるも、六花に絡まれる
  • 承:保健室にて
  • 転:邪王真眼
  • 結:入学式

勇太はクラスに入ると、後ろの席の誠から声をかけられて感激します。そして、クラスの女子の話になり、そこへ六花がやってきます。ここで勇太は六花を中二病だと認識します。

「目が……」という六花を保健室に連れていく勇太。そこで中二病をこじらせ続ける六花。そんな六花の口から「ダークフレイムマスター」の言葉が漏れ、六花が勇太の中二病を知っていることを詰問し、口外しないように言いつけます。

そして、邪王真眼が本当にあると言って、眼帯を取ろうとするところで、CMへ。ここがフックになっていますね。

CM明けでは六花がコケて、眼帯の下にカラコンをつけているということが分かり、邪王真眼がないことが分かり、勇太は保健室を後にします。

ちなみに、CM前の「そういうのは卒業したの」→「ということはレベル8に……」という会話にはズラしの技術が使われ、意外性を作り出しています。中二病患者ならではの回答で面白いですね。

結では、入学式で「まだ俺変なんじゃないか?」と勇太が悩んでいるシーンになっています。

勇太が理想の高校生活を考える際に画面に森夏が出てくるのは、勇太にとって彼女が一番理想的だと思っているからでしょう。

転:「帰宅」

  • 起:誠からご飯に誘われる
  • 承:六花と帰宅
  • 転:電車を乗り過ごす
  • 結:電車に乗って帰る

まず、起では誠からご飯に誘われ感激する勇太。しかし、六花がサイフを落としたため一緒に帰ることになります。

ここで先生が帰宅用の電車賃を貸さなかったのは、少しご都合主義的ではありますが許容範囲ですね。

また、ここで勇太の上の部屋が六花の部屋だと知り、アバンでの伏線回収と次のシーンの話題繋ぎになっているところは地味に注目ポイントです。

駅のホームで六花と部屋の話、お姉さんの話、そして、不可視境界線の話へとスライドしていきます。ここではシーンの骨電車に乗り遅れる(帰宅が遅れる)ということだけです。

しかし、新しい技、ローラーシューズ、自販機のコマンドなど中二病ネタがこれでもかというほど詰め込まれています。ここが「中二病でも恋がしたい!」のウリだからですね。

結:「荷物運び」

  • 起:荷物運び
  • 承:食卓
  • 転:黒歴史を再び捨てる
  • 結:黒歴史を部屋に戻す

帰宅すると、六花の荷物がなぜか勇太の家に預けられています。ここは何かの伏線なのか、ご都合主義なのか。コメディは多少のご都合主義でもおもしろければ許されるのが強いところではありますね。

荷物を運ぶ六花を手伝い荷物運びを終了させ、六花と共に食卓を囲みます。下の妹がゴミの中から大剣を取り出し、勇太を叩きます。そんな剣をここでも上の妹と母から黒歴史を暴露されます。

そして、転では大剣をゴミとして出す勇太。「それはダークフレイムマスターの命」という六花に勇太は「辞めたの」「意味がないだろ」といいます。六花は「力がある」といい、勇太は「ない」と頑なに否定。が、六花の寂しそうな表情「ある。だから、捨てないでほしい」という言葉に負けて、勇太が黒歴史を部屋に戻します。

ここで今回の注目ポイントである二面性です!

これまで六花は中二病でやたらとテンションが高いキャラでしたね。が、このシーンでは少し違います。

静かなトーンと寂しげな表情で「力はある」と言い続けます。雨で暗い場所という演出もあいまって、寂寥感がでています。

そんな静かで寂しげな彼女を見ていると、こちらまで寂しくなってしまいますよね。

もし仮に六花がハイテンションじゃない中二病患者だった場合、ここまで寂しい気持ちにはならなかったはずです。

このハイテンション静かという極端な二面性のギャップがあるからこそ、このシーンでは寂しさを感じやすくなっているのです。

ちなみに、この第一話ではもう一つ似たシーンがあります。六花が荷物を一人で運ぶシーンです。

後姿だけですが、肩をがっくりと落としとぼとぼと階段を上る彼女の姿は、先ほどまでのハイテンションな六花とは大違い。どこか同情を呼び寄せるような気持ちにさせられます。

だからこそ、勇太はどちらシーンでも六花のために行動したのでしょう。

ちなみにここでの勇太と六花の「ある」→「ない」→「ある」という問答はあっさりとしてしまいそうな「捨てるか捨てないか」というお互いの意思の強さを増幅させていますね。これは「結城友奈は勇者である」の#12でも使われていました。

あと、先の下の妹が大剣で勇太を叩くときも地味に使われていますね。

終わりに

今回のポイントは「二面性」でした!

極端な動と静の二面性によって寂しさを増幅させ、分かりやすいライトなシリアスシーンを演出していましたね。

この二面性のギャップはキャラの強みと弱みを作る際にも意識してみると、シーンの雰囲気づくりが変わってくるんじゃないでしょうか。

また一見、肉が多めな印象の第一話でしたが、展開の裏打ちがきちんと行われており丁寧なお話づくりがなされていました。(アバンのロープから家が上であること、電車に乗り遅れて、荷物が勇太の家に届く、など)

肉の中に裏打ちを埋め込むという点で2週目、3週目を見てみるとまた違った印象になるのでしょう。

ちなみに、「中二病でも恋がしたい!」では、パロネタを使わないラブコメであることが分かりますね。今後はこの中二病をどのように広げていくかに注目ですね。

また、小説とはお話の展開が全く別らしいので、どのように変更されたのかを考えながら見るのも面白いかもしれませんね。

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