アイドルじゃないよ! アクションヒロイン チアフルーツ#1 シナリオ分析してみた!!

アクションヒロイン チアフルーツ#1「いきなり超天界」

シリーズ構成・脚本:荒川 捻久

第5回は「アクションヒロイン チアフルーツ」です!

最近流行りのアイドル系の派生と捉えることもできるし、アイドル路線とは一線を画すアニメにもなりうる作品だと思っています。それは今後の流れ次第ですけど。でも、すごく期待の作品です。

今回のポイントは「ピンチ」です。

ピンチはキャラクターへの同情と共感を与え、物語の緩急をつける大事なファクターです。この第一話では、同情必死さからくる笑い、コミカルな共感が起きている点に注目してみてください。

では、起承転結から。ネタバレ注意です!

第一話は無料でニコニコで見れます↓

アクションヒロイン チアフルーツ 第1話「いきなり超天界!」

起承転結

  • 起:中止になったカミダイオーショーを何とかする約束
  • 承:カミダイオーショーの準備
  • 転:本番
  • 結:事故と生徒会

です。今回は非常にスッキリとした構成となっています。

美甘の動機もしっかりしており、お手本のような構成です。

起:「中止になったカミダイオーショーを何とかする約束」

ここでの小さな起承転結は、

  • 起:「カミダイオーショーを見る美甘と杏」
  • 承:「美甘と杏の邂逅、そしてその周囲」
  • 転:「カミダイオーショー中止」
  • 結:「カミダイオーショーを何とかする約束」

ここでは、ギャグものだけに許された「一瞬の世界観説明」が行われています。

この世界観説明のメリットとして

・世界観を一瞬で知ることができ、話の本題に早く入れる(無駄な描写を少なくできる)。

・説明をご都合的に説明することで「笑い」を作り出している。

という2点があり、チアフルーツでは美甘がカミダイオーショーをやるという本題にすぐ入ることができています。また、カミダイオーの昭和風OPで笑いも生み出しています。

次の承では、美甘と杏がこれから関わるためのファーストコンタクト。そして、これから登場する周囲のキャラクターの顔出しが行われています。この第一話では、まだ活躍しないキャラクターもここで顔出ししておくことで今後登場した際の唐突感をなくせます。

加えて、杏の新体操で鍛えられた身体能力が校舎から飛び降りるという描写で極端に表されいます。

また、この第1話で注目してもらいたい点の一つとして御前(みさき)の様子です。のど自慢大会の場面では、ホールのお客さんが少ないことを憂いています。

これが、御前の動機であり、この後のシーンで伏線的に登場してきます。この第1話では美甘と御前の二人の思惑が絡み合いながら物語が進んでいく点にも要チェックしてみてください。

そして、転ではカミダイオーショーの中止をきっかけに、杏はどこかに走り去り、美甘の妹、柚香は泣いてしまう。

結では、そんな柚香のために、「カミダイオーショーをなんとかする」と美甘は約束してしまいます。この「約束を守る」という目的でこの第1話は進行していきます。そして、この約束が彼女の第1のピンチになります。

承:「カミダイオーショーの準備」

小さな起承転結は、

  • 起:「杏に協力を仰ぐ」
  • 承:「準備を始める」
  • 転:「二人の練習を目撃する御前」
  • 結:「準備の仕上げ」

まず、約束に絶望する美甘ですが、杏に協力を求め、何とかショーの計画を進めます。

承と結では、止め絵による経過説明が多用されています。準備をすべて見せてしまうとそれだけで1話が終わってしまい、ショーの場面がなくなってしまうので、場面の圧縮が行われています。場面の取捨選択は重要ですね。

またここでも、大変な練習や、悪役のやられたふりをするための寸止め攻撃にビビる美甘というピンチがあります。美甘の健気可愛いポイントが出ていていいですね。

転は短いですが、煮詰まっていた御前が二人の練習を目撃するという運命的なシーンです。ここで二人の運命に御前が加わります。御前の起承転結を作るなら、煮詰まっているところが承で、練習を目撃するところが承の中の転といったところでしょうか。

転:「本番」

小さな起承転結は、

  • 起:道具などの作りが拙く子供に笑われる
  • 承:杏の動きに場の空気が変わる
  • 転:杏の攻撃が美甘に当たってしまい、くじけそうになる
  • 結:柚香の声援によりふんばり、ショーをまとめる

杏の攻撃が美甘に当たってしまうというピンチや案の予定外の高さからのジャンプキックなどのピンチが盛り込まれています。

心が折れそうになる美甘ですが、柚香の声援で踏みとどまります。妹のためという動機が美甘の中で一貫していますね。

あと、個人的に、柚香の「お姉ちゃん頑張れー!」は事情を知っていると柚香が美甘を応援しているとわかるのですが、傍から聞くと杏を応援しているように聞こえて、しかも子供がアクションヒロインを応援するという自然なシチュエーションになっているんですよね。上手いなと思いました。

また、ここでも御前が「盗撮する」という行動で二人の話に絡んでいます。そしてこの行動がオチの伏線としても機能しています。

そして、最後には展望台が崩れるというアクシデントから次の結に繋がります。

結:「事故と生徒会」

小さな起承転結は、

  • 起:展望台のニュースを見て青ざめる美甘
  • 承:自分たちの動画がアップされ、さらに青ざめる美甘
  • 転:生徒会に呼び出され、死を覚悟する美甘
  • 結:お咎めなし、そしてアクションヒロインに

ここはオチゆえに、ここぞとばかりに美甘をピンチに追い込みます。ただ、ショーが成功しただけだと面白くないですから、このコミカルなピンチは面白いなと思いました。コミカルゆえに、お咎めなしなんですけど。

そして、これからの方向性である「アクションヒロインプロジェクト」が提示されます。

このアクションヒロインプロジェクトも少しですが「フック」になっていますね。

終わりに

いかがだったでしょうか。

情報の圧縮をメインにしようか、ピンチをメインにしようか迷ったのですが、アクションヒロインということでピンチをメインにしました。

また、ピンチによって、キャラクターに動機が生まれ、それによって物語がぐんぐん進んでいく様は分析していて気持ちがいいものがありました。やはり、キャラクターは紹介だけじゃなくて、動機も早めにほしいですね。

感想や意見があれば、ツイッターやコメント欄にお願いいたします!

アンジェロ:https://twitter.com/VhPww

では、また次回!

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