気持ちを表現することの難しさ 天使の3P#6 シナリオ分析してみた

天使の3P#6「ベーシストを連れてくな!」

シリーズ構成・脚本:雑破業

天使の3P#6のシナリオ分析をしていきます。

物語って一本筋で進んでいくものもありますけど、いろんなお話が同時並行で進んでいきますよね?

その根底にあるテーマが合致していないと、悪くはないですけどドラマティックではないですよね。回収されない伏線を張ってるようなものです。

「テーマの一貫性」が重要になっていきます。今回の注目ポイントです。

タイトルと違うって? まぁ、気にしないでください。

では、さっそく分析していきます。ネタバレ注意です。

起承転結

  • 起:新曲の作詞
  • 承:希美の叔父
  • 転:素直な気持ち
  • 結:ライブ!

このように大きな起承転結を見てみると、二つの話が入れ子のような構成になっていることが分かります。

  1. 作詞
  2. 希美の養子話

主に、話としては「希美の養子話」に重点が置かれていますが、それは「作詞」のためでもあるのは後述。

とりあえず、「入れ子」みたいになっているということです。

起:「新曲の作詞」

小さな起承転結は、

  • 起:「作詞?」
  • 承:「考える3人」
  • 転:「PV増加と作詞の悩み」
  • 結:「響の過去」

ここでは、「作詞」「自分の気持ちを素直に表現する」という「テーマ」が障害として描かれています。

これが今回の注目ポイントである「テーマの一貫性」の一つ目のテーマになります。

また、この後の展開でライブまで作詞について一切触れられないことから、ちょっとした伏線みたいな機能をしています。

ちなみに、PV増加を桜花に報告するというのは前回の終わりの部分を補強し、この後の展開への流れをよくするために挿入されています。

そして、作詞のシーンはここで終わり、次のシーンからは「希美の養子話」が中心になっていきます。

承:「希美の叔父」

  • 起:「謎の英国人ライアン」
  • 承:「希美を養子にしたいというライアン」
  • 転:「逃げ出す希美」
  • 結:「それぞれの思い」

ここから、ライアンの登場で希美が養子になるか否かの話が持ち上がります。

ここで希美が他の人に意見を言うように訴えるも、正義に「自分でしっかり考えて、自分で決めてくれ」と遮られてしまい、他の人の意見が封殺されてしまいます。

正義の「大人の対応」ではありますが、これが今回の響の障害になります。

その言葉で響も自分の意見を言えず「みんなの味方」という公平な立場を取ってしまいます。

皆が希美のことを考えているシーンが続き、CMへ行きます。

転:「素直な気持ち」

  • 起:「決意する希美」
  • 承:「妹と遊園地に」
  • 転:「自分の気持ちを
  • 結:「素直な気持ち」

「幸せの形を決めるのは希美」という大人のスタンスで自分の思いを抑え込むものだと考えている響。

そんな響は妹のくるみと遊園地に行き、気を紛らわそうとする。

そんな響に「怖いだけでしょ。自分のせいで空気乱して傷つけちゃったらどうしようって、臆病にいなってるだけでしょ」と、くるみは響に発破をかけます。

それを受けて、響は自分の気持ちに正直になることを決意し、パーティー直前に着飾った希美に「辞めようよ、イギリス行くの」といいます。

ここが「自分の気持ちを素直に表現する」という「テーマの一貫性」の2つ目のテーマです。

1つ目は作詞。2つ目は理屈や空気を無視して自分の気持ちを伝えること

この二つに共通するのは何度も書いているように「自分の気持ちを表現することの難しさ」です。

「天使の3P」を見ている人の何人が「作詞」をしたことがあるでしょうか? 普通に暮らしていたらまずしないですよね。

経験のない人にその辛さを伝えるのはどれほど難しいでしょうか?

それを「自分の気持ちを表現することの難しさ」という抽象的な切り口に変換し、それと合致する「希美の養子話」を表現することで疑似的に「作詞の難しさ」を表現しているのです。

乗ったことのないロードバイクの話や剣で魔物を倒す葛藤などの経験したことがないことに共感できるのもこういう理屈ですね。

↑ゴブリンを囲んでも動けないの図(灰と幻想のグリムガル)

お話の重点が「希美の養子話」になっているのもそのためです。「自分の気持ちを表現することの難しさ」を見ている人にどうすれば伝わるのかを考えれば、作詞より人間関係で表現したほうが伝わりやすいはずです。

人間関係で伝えられないことがある人のほうが、作詞したことがある人よりは多いはずですから。

故に「テーマの一貫性」は非常に重要です。

また、テーマが一貫していると「この物語は何を伝えたいか」が分かりやすくなり、訴求力が強化されます。そういう意味でも「テーマの一貫性」は大切です。

遊園地のくるみが可愛いすぎるのは余談です。

結:「ライブ!」

  • 起:「ライアンと希美」
  • 承:「ライブに招待」
  • ED
  • 転:「バンド名は?」
  • 結:「リヤン・ド・ファミユ」

いつものように、EDはライブになっています。EDまで物語の一部になっているのはいいですね。

ライアンはお披露目パーティーの本番でドタキャンされても怒らないのは、尺の都合もあるとは思いますが、基本、この世界のキャラは優しさ出てきているからでしょう。

EDライブ後には、「バンド名イベント」があります。

むしろ、アニメだけ見ていると、今までバンド名なしでやってきたのかというツッコミが出てきますが、エピソードを重ねていくうえで、バンドとしても何か進展をしていくことは大切です。

進展しないと、ただのキャラの掘り下げ回になってしまいますから!

終わりに

いかがでしたか? 天使の3P#6話。

今回の注目ポイントは「テーマの一貫性」でした。

テーマの一貫性があると、体験したことがないことでも共感することができるようになり、物語がドラマティックになります。

そういう意味で、希美の気持ちである「イギリスに行きたいか行きたくないか」はあえて描かれず、「それぞれの思い」にフォーカスしていたのは、この一貫性を作り出すためだったのかと思います。

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アンジェロ:https://twitter.com/VhPww

では、また次回!

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